こんにちは。
赤羽太陽堂整体院の木村です。
今回は「すぐに痛みを取ることが最善なのか？」ということで書いていきます。
ここでは主に手術を必要としないもの、内臓疾患でないもので、慢性的な身体の悪化により痛みが現れた場合の考え方で話を進めていきます。
身体には何故、痛みを感じるようにできているのか？
身体に感じる痛みというものは、病気や怪我などで身体の組織が損傷した際に、無理に動かさないようにするための警告の役割があります。
身体全体に神経が張り巡らされていて、神経の末端に侵害受容器というセンサーが痛みを引き起こす刺激を感知すると、その刺激が脳に伝わって「痛い」と認識できるようになっています。
痛みを感じるというものは、身体の異常を知らせる為の身体に必要不可欠の機能でもあります。
この痛みがないと、身体の異常に気が付けなくなり、ある意味痛みというものは、身体の悪いところを知らせてなおかつ痛みがあることで、無理に身体を動かせなくして、その間、損傷した組織を修復させようとする働きもあります。
本来は痛みが出るぐらいに身体が悪くなっているのに、痛みを感じないと、身体に悪いところがあっても身体は動いてしまいます。そうやって、身体が治りきらない状態で身体を動かすことで、ますます身体の状態が悪化していく危険性があります。
そういった意味からも、痛みというものは場合によっては人の身体には必要なものだと言えます。
すぐに痛みを取ることは良いことなのか？
人は、身体に痛みが生じると、まず病院に行くと思います。
この痛みの原因をはっきりとさせたいからです。
なぜ今この痛みわ感じるようになったのか？という原因を明らかにして、明らかになった原因に対して適切なアプローチをして治そうとします。これは、ごく正常なアプローチ方法だと言えます。
身体の痛みも原因があって結果がある。原因を突き止めることはとても大事なことです。
ただ、そのアプローチ法が、根本的な原因に対するアプローチ法ならいいですが、痛みの苦痛をいち早く取りたいという気持ちになる人は多いので、痛み止めを処方されて飲んだりすることがあります。
あまりにも痛みが強い場合は、その痛みを長時間、長期間我慢し続けるのはかなり精神的にきついものなので、痛みを緩和させることは大事だと思います。
しかし、痛み止めは、原因に対する治療ではなく、あくまでも、痛みというものを対症的に緩和させるものでしかありません。そして、多くの人が勘違いするのは、痛み止めでもなんでも、痛みが治まったら身体が治ったと思うことです。
そんなに身体の状態が悪くない場合は、痛み止めを飲んでいるうちに痛みが治まって楽になったと感じる人もいます。
しかし、それは、身体の原因に対するアプローチではないので、痛みが治まったとしても本当は身体は対して良くなっていないということもあります。
こうやって、原因に対するアプローチをしないまま、対症療法を繰り返しているうちに、身体の状態が知らない間に悪化して、次に症状が出た時は、痛み止めでは痛みが治まらないようになっていることもあります。
原因に対する治療を行いながら、精神的苦痛の緩和で一時的に痛み止めを使用するのは良いと思います。
しかし、痛み止めを飲んで痛みが取れた＝治ったと思うようなことは、痛みが取れて良いということにはなりません。
特に内臓に関する痛みに対して、そのような対応をすると、取り返しのつかないことになるかもしれません。
痛みはどう改善していくのが良いのか？
現在、世の中には、坐骨神経痛で苦しんでいる人は多くいらっしゃいます。
例えば、坐骨神経痛の痛みを改善したいとして、病院で痛み止めを処方されることがあります。
そこで、今の辛い痛みに対して、痛み止めで少しでも痛みを軽減して、精神的苦痛を和らげながら、痛み止めの必要がなくなるぐらいに根本原因に対する治療を進めていって、改善を図っていくというやり方が良かったりします。
しかし、病院では原因に対する治療をしないまま、ただ、痛み止めだけを飲み続けて様子をみましょうと言われることが多いです。本当に身体がたいして悪くない場合は、痛み止めを飲んでいるうちに痛みが治まっている場合もあります。この場合は、原因に対するアプローチは行っていないので、痛みを感じるようになった身体にある原因はそのままです。
本当に慢性的に身体の状態が悪い場合は、痛み止めを飲んで様子を見続けても、痛みはいっこうに治まらないことがあります。場合によっては、痛み止めが全く効かないこともあります。
痛み止めが効かない場合には、ブロック注射を打つこともありますが、それも効かない場合があります。ブロック注射も痛みという症状をごまかすだけですので、根本的に痛みが出るようになった身体にある原因をは変わらないままです。
痛みというものは、痛みを出す原因というものにしっかりとアプローチし続けて、原因の改善に比例して、痛みが徐々に緩和、改善していくのが本当の改善の機序だと思います。
すぐに痛みが取れるのが本当の改善ではなく、身体の根本的な良い変化とともに、痛みが改善して、最終的には痛みが感じなくなる状態になるのが、無理のない、根本的な痛みの改善に至るものだと思います。
内臓や骨などに異常があって痛む場合には、場合によっては手術をすることもありますし、その場合は手術によって原因を取り除いて手術の傷が治ったら痛みが治まっているかもしれません。
手術を必要としない慢性的な痛みで言うと、原因の改善と共に、痛みも徐々に緩和していくという考えを持っていただいた方が良いです。
最後に
痛みをすぐに取りたいという考えは、痛みを感じている状態というのはとても苦しいことなので、分からないでもないです。
しかし、身体の状態によっては何が何でもすぐに痛みを取りたいという考えは非常に危険だと言えます。
今の世の中においては、整体というものもだいぶ認知されてきましたが、どの治療を受けるにしても、痛みがすぐとれるのが良い治療、痛みがすぐに取れないのは悪い治療＝下手くそという考えは、あまり正しいとは言えません。
その場での、痛みの緩和は痛み止めで痛みをごまかすのに似ています。その場で良いような感じがしても、またすぐに元に戻って結局治らなかったという話はよく聞いてきましたが、それは、その場で痛みが引いたら治ったと考えてしまって、適切な治療を受けられなかったことに起因していると考えています。
精神的な苦痛を和らげるために痛みを感じなくさせるということは大事なことだと思いますが、誤った認識で、痛み止めでもブロック注射でも痛みが取れた=治ったとか、整体等の施術でも、たまたま1回の施術でその時の痛みが引いたから治ったと思うようなものは、「すぐに痛みを取ることが最善」とは言えないというのが私の考えです。
ここに書いたものは、私の考えであり、読んでいただいている方には「そういう考えもあるんだな」というぐらいで参考にしていただければ幸いです。最後までお読みいただきありがとうございます。
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