こんにちは。
赤羽太陽堂整体院の木村です。
今回から、「筋膜・経穴の関わり」というテーマで書いていきたいと思います。
なぜ筋膜・経穴なのか
まず、本題に入る前に、今回では、筋肉と経穴の関わりと、トリガーポイントと言われる痛みを引き起こしている場所がとても関連しているので、紹介を兼ねて書いていきたいと思います。
近年の研究では、筋肉が硬くなりやすい場所と経穴の位置が一致してると言われるようになっています。筋肉が硬くなりやすい場所にトリガーポイントが出てきやすいと言われていますが、そういった場所と経穴は一致している場合があります。
身体には煩悩の数(108つ)ぐらい筋肉が硬くなりやすい場所があると言われていて、僕としてはそれらのことを考えると,
筋肉が硬くなりやすい場所と経穴の一致がとても面白いと思ったからです。そして、実際の臨床で患者さんの身体に筋肉的なアプローチをすると、効く箇所(効果が得られる箇所)、辛い箇所に響くような部分などと経穴の部位が大体似たようなところにあることは実感としてあります。
このようなことは、僕自身、臨床の現場で患者さんを対応する際に意識して考えていることのひとつでもあります。
大殿筋の作用と働き
それでは、さっそく本題に入ります。
今回は「大殿筋編」です。
下肢の後方運動のひとつに、「股関節の伸展」があります。股関節を進展させる筋肉として「大殿筋」があります。
上の図の動きが、「股関節の伸展」の動きになります。
大殿筋は起始部が、
・腸骨外面で後殿線維の後方、腸骨稜、仙骨と尾骨の後面、仙結節靭帯、腰背腱膜
停止部が、
・上部線維が腸脛靭帯、下部線維が大腿骨殿筋粗面
です。
支配神経は下殿神経です。
大殿筋が作用すると、
・立位では、脚を後方に引く、階段を昇る動作
・座位では、椅子に座った状態から立つ動作
このような動きがあります。
大殿筋にある経穴とは
この大殿筋の場所には、トリガーポイントと一致する経穴が3つあります。
「足の太陽膀胱経」の「胞肓(ホウコウ)」「秩辺(チッペン)」「承扶(ショウフ)」です。
・「胞肓」の位置は、第2仙骨孔の高さで後正中仙骨稜の外方3寸です。
・「秩辺」の位置は、第4仙骨稜の高さ、後正中仙骨稜の外方3寸です。
・「承扶」の位置は、殿溝の中点、大腿後面の中線と殿溝の交点です。
こう書いても何のことか分かりにくいと思いますが、上の図でだいたいこんな場所にあるのかと思っていただければと思います。
経穴とトリガーポイントの類似点
上の図が、筋肉が硬くなって関連痛を引き起こすようになった、「トリガーポイント」の位置と痛みの出る範囲です。
図を見ると、筋肉が硬くなっているところ(トリガーポイント)と経穴の位置が、だいたい場所が同じようなところにあるのが分かると思います。
この場合は、厳密に正確な位置で理解されなくても良いです(図も厳密に正確ではありません)。だいたい、これぐらいの場所に関連しているものがあるのだなという理解で大丈夫だと思います。
大殿筋の作用は、「股関節の伸展」です。
立って脚を後ろに引く動作、階段を昇る動作、座ってから立つ時の動作で動きにくかったり、痛みがある場合は、上記で紹介させていただいた、筋肉や経穴の治療が有効になります。大殿筋の作用は、股関節の動きに関連しますので、股関節の痛みの場合にも影響していることがあります。
足の太陽膀胱経の関連
「足の太陽膀胱経」ということで考えると、
後頭部の頭痛、鼻出血、精神錯乱、体幹後面や下肢後面の痛み、腓腹筋(ふくらはぎ)の痛み、こむら返り、足の第5指(小指)の麻痺など、他にもいろいろありますが、こういった症状が関係してくると考えられています。
以上のような、筋肉の硬くなりやすいところと経穴(ツボ)の関連が考えられます。
筋膜と経穴へのアプローチの意味とは
臨床の現場においては、上記のようなことを考慮しますが、人の体の不調の要因はいろいろな要素があり、100%決めつけることはできませんので、いちおう関連はあるかもしれないなということで、人の身体を見ながらアプローチしていったりします。
筋肉のコリが、すごく硬くなっていて血流が良くない状態というのは身体の不調の原因になりますので、筋肉の硬くなっている状態(コリ)をほぐして血流を改善したり、関連痛の原因になっている場合には硬くなっているコリにアプローチし続けて痛みの軽減を図ることもあります。
当院では、主に筋肉が特に硬くなっている場所(ツボの場所)のアプローチを行い、筋肉の状態を正常にして、身体の血流を改善して痛みなどの不調の改善を図っています。
身体全体のコリが改善すればする程に、身体全体のバランスが本当の意味で改善していきます。ここに整体(血流を改善して身体全体を整え、自然治癒力を高めること)の真骨頂があります。
今回は「筋膜・経穴の関わり 大殿筋編」というテーマで書いていきました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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