こんにちは。
赤羽太陽堂整体院の木村です。
今回から、「筋膜・経穴の関わり ハムストリング筋編」というテーマで書いていきます。
ハムストリング筋の作用と働き
それでは、さっそく本題に入ります。
今回は「ハムストリング筋編」です。
下肢の後方運動のひとつに、「股関節の伸展」と「股関節の屈曲」があります。特に膝関節を屈曲させ、股関節を進展させる筋肉として「ハムストリング筋」があります。
下の図が、膝関節の屈曲と進展を表していますが、ハムストリング筋の作用のひとつは膝関節の屈曲です。
![](https://blog.taiyoudou-seitai.com/wp-content/uploads/2024/05/膝関節.jpg)
ちなみに、下の図は、ハムストリング筋の作用のひとつである股関節の伸展を表したものです。
![](http://blog.taiyoudou-seitai.com/wp-content/uploads/2024/05/股関節伸展.jpg)
そして、ハムストリング筋は、「半腱様筋」「半膜様筋」「大腿二頭筋」、この3つの筋肉が合わさった総称です。
下の図が、ハムストリング筋の位置関係です。
![](http://blog.taiyoudou-seitai.com/wp-content/uploads/2024/05/ハムストリング.jpg)
「半腱様筋」は、
起始部は、坐骨結節
停止部が、脛骨粗面の内側
支配神経は、坐骨神経の脛骨神経部
「半膜様筋」は、
起始部が、坐骨結節
停止部が、脛骨内側顆内側部から後部、斜膝窩靭帯、膝窩筋筋膜、膝後方関節包、後斜靭帯、内側半月板
支配神経は、坐骨神経の脛骨神経部
この、「半腱様筋」と「半膜様筋」の作用は、股関節の伸展と膝関節の屈曲以外に、
・股関節の内転にも補助的に作用
・下腿の内旋
・下肢を固定した状態で骨盤を後傾する
などがあります。
「大腿二頭筋」は、「大腿二頭筋長頭」と「大腿二頭筋短頭」があります。
「大腿二頭筋長頭」は、
起始部が、坐骨結節
停止部が、腓骨頭
支配神経が、坐骨神経脛骨神経部
「大腿二頭筋短頭」は、
起始部が、大腿骨粗線外側唇
停止部が、大腿二頭筋長頭腱を介して腓骨頭
支配神経が、坐骨神経腓骨神経部
作用は、股関節の伸展、膝関節の屈曲以外に、
・下肢を固定した場合に、骨盤を後傾させる
・下腿を外旋させる
などがあります。
ハムストリング筋にある経穴とは
このハムストリング筋の場所には、トリガーポイントにも関わる代表的な経穴が4つあります。
![](https://blog.taiyoudou-seitai.com/wp-content/uploads/2024/06/ハムストリング1-1024x744.jpg)
まずは、「足の小陽胆経の膝陽関(ひざようかん)」です。
・「膝陽関」の部位は、大腿二頭筋腱と腸脛靭帯の間の陥凹部、大腿骨外側上顆の後上縁です。
※陥凹部とは、くぼみやへこみを表す言葉です。
![](https://blog.taiyoudou-seitai.com/wp-content/uploads/2024/06/ハムストリング2-1024x889.jpg)
あとは、「足の少陰腎経の陰谷(いんこく)」「足の太陽膀胱経の殷門(いんもん)」「足の厥陰肝経の曲泉(きょくせん)」の3つです。
・「陰谷」の位置は、半腱様筋の外縁の膝窩横紋上です。
・「殷門」の位置は、大腿二頭筋と半腱様筋の間、殿溝下方6寸です。
・「曲泉」の位置は、半腱・半膜様筋腱内側陥凹部、膝窩横紋の内側端です。
こう書いても何のことか分かりにくいと思いますが、上の図でだいたいこんな場所にあるのかと思っていただければと思います。
経穴とトリガーポイントの類似点
![](https://blog.taiyoudou-seitai.com/wp-content/uploads/2024/06/トリガーハム-768x1024.jpg)
上の図が、筋肉が硬くなって関連痛を引き起こすようになった、「ハムストリング筋のトリガーポイント」の位置と痛みの出る範囲です。
この場合は、紹介した経穴とトリガーポイントは一致していないところが多いですが、だいたい「殷門」の部位は同じようなところにあります。関連痛が出るような部位で経穴の位置と被るようなところがあります。
経穴とトリガーポイントは、全てが完全に正確に一致しているわけではありませんので、厳密に正確な位置で理解されなくても良いです(図も厳密に正確ではありません)。だいたい、これぐらいの場所に関連しているものがあるのだなという理解で大丈夫だと思います。
「大腿二頭筋の関連痛のパターン」は、下肢の後面外側への広がる痛み、膝関節後面の10センチの範囲で出現する痛みが特徴的だと言われています。
「半腱・半膜様筋の関連痛のパターン」は、殿溝(お尻とハムストリング筋の境目)の下あたりに10センチの範囲で出現する強い痛みと、アキレス腱へ広がる下肢後面内側の痛みがあると言われています
ハムストリング筋の治療の適応となる痛み
「ハムストリング筋の治療の適応となる痛み」は、
・座位や歩行時、夜間の大腿後面の痛み。
・大腿後面の圧痛(これが強いと跛行を引き起こすこともあると言われている)。
※跛行とは、足をかばうように歩いたり、引きずったように歩くこと。
ハムストリング筋に筋膜的な異常があると、坐骨神経痛や股関節痛、腰痛など下肢の痛みやしびれの原因になることがあります。
ハムストリング筋の基本的な運動機能
「ハムストリング筋の基本的な運動機能」は、ランニング中、遊脚相の減速期に作用することで、体幹が股関節に屈曲するのを防ぎます。走っている時に上体を真っすぐに保つ作用があります。
個人的には、歩いている時にも、前にかがんで歩くクセが強い方は、ハムストリング筋の基本的な運動機能が低下しているところもあるのではないかと思う時があります。
最後に
今回は「筋膜・経穴の関わりハムストリング筋編」というテーマで書いていきました。
当院では、主に筋肉が特に硬くなっている場所(ツボの場所)のアプローチを行い、筋肉の状態を正常にして、身体の血流を改善して痛みなどの不調の改善を図っています。
身体全体のコリが改善すればする程に、身体全体のバランスが本当の意味で改善していきます。ここに整体(血流を改善して身体全体を整え、自然治癒力を高めること)の真骨頂があります。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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